夢形エンジニア 千田雅彦ハカセの特殊紙甲冑は、本物をソノままの比率で縮小した3分の1スケールの甲冑オブジェなんだボ。これはモシかしたら、スゴイ技術なのかもしれないんだボ。
千田流・素材選定眼で選ばれた特殊用紙に漆を塗り、本物ソックリの質感を演出だボ。正確なものを追求したいというハカセの探究心はスゴいんだボ。
頭の中でつくる
全体の構造はモチろん、特徴になる「見せ場」をどこにスルのか?ハカセはいつも、ツクるもののイメージを頭の中で描くんだボ。スケッチはそれほどシナイらしいボ。この甲冑にオイては、本物の再現にこだわったらしいボ。だから本などで写真を見て、本物を再現することにしたんだボ。
凝るポイントを決める
特殊紙甲冑のポイントは「金具の質感、色、形を、リアルに!」「威(おどし)の色、風合いを本物らしく!」。金具は金属に見えるけど、樹脂でできているんだボ!甲冑は武将によって個性があるので、それを表現できるように考えるんだボ。ハカセは、個性豊かな戦国甲冑が大好きなんだボ!
いきなりCADで描く
ハカセは設計図は作らず、いきなりCADで図を描くんだボ。ドウシテって?設計図を作っても一回でウマくいくことはないし、何度も変えないといけないから、CADでどんどん描くほうが早いからだボ!ハカセは経験とカンで、立体のパーツを2次元CADで描くんだボ。そのパーツを組み合わせたら、本物ソックリの立体になるように、頭の中で設計しているんだボ!
治具で丸みを表現する
素材は紙だから、丸みを出すには治具というモノを作ってクセをつける形で表現するんだボ。もちろん、治具さえ作れば同じ形のパーツを何度も作るときに正確に作れるんだボ。ハカセは甲冑を作るとき、胴の部分だけでも10個以上の治具を作ったんだボ!もちろん、治具を作るのも正確な計算が必要なんだボ。そこはカンじゃなく、とっても正確なんだボ!
レーザーカッターで切る
CADで図面が描けたら、それをレーザーカッターで出力だボ!バラバラのパーツがとっても精密にカットされるんだボ。なんと、1体の甲冑のパーツを全部カットするには、8時間ほどかかるらしいボ!
木工用接着剤で接着する
カットされた特殊紙を貼り合わせて、だんだん甲冑の形に仕上げていくんだボ。貼り合わせるのに使うのは、速乾性の木工用接着剤だボ。トッテモ小さなパーツもあるから、細かいところは爪楊枝を使って正確に接着剤を塗るんだボ!
エアブラシで塗装する
治具を使って形を整えたあと、カシュー漆をエアブラシで吹き付けて塗装するんだボ。 まるで本物と同じようなツヤが出るんだボ!
鉢と面頬の原型
鉢(ヘルメットの部分)と面頬(めんぽう・顔の部分)は樹脂で原型をつくるのが先決だボ。ベニヤ板で骨を作り、そこに超微粒子の硬質パテを塗るんだボ。それを大きくカッターで削り、そのあとキメの細かいペーパーで磨くんだボ。最後にCADで正確に作った治具を合わせて、正確な形になっているかどうか確認するんだボ。
シリコンで型をつくる
鉢と面頬の原型をもとに、シリコンで型をつくるんだボ。それにポリウレタン樹脂を流し込んで固めるんだボ!
取り出したあと洗ってバリをとり、磨いたら塗装して完成だボ!
腕の布部分をつくる
腕などの布でできた部分はCADで図面を描いて、レーザーカッターでカットするんだボ。布はただの布じゃないボ!ハカセが住んでいるところは丹後ちりめんで有名な織物処。だからリアルさを出すために、豪華な小さい柄の織物を使うんだボ。
実際に組み立て、修正
パーツができたら、実際に組み立ての実験だボ!でも一回ではなかなかうまくいかないボ。たとえば、紐がねじれてキレイじゃないとか、威(おどし)に隙間ができて美しくないとか。その場合ハカセは、0.1mm単位で微調整するんだボ。紐の色も、思うような色がナカッタから、染め屋さんにお願いして色を再現してもらったんだボ。
「似ているけど、違う」という素材は使わない、それがハカセのスゴいところだボ!
完成!
こうして特殊紙甲冑はバースデーを迎えるんだボ!とっても細かい作業の連続なんだボ!だからハカセはスゴイんだボ!
でもハカセ、お仕事もちゃんとしてるボ?